交通事故後は頭痛・目まい・吐き気・耳鳴り・不眠などの不定愁訴を訴える方は少なくありません。これらの原因は4つに分類することができます。

①頚性神経筋症候群

こちらは首の筋肉の異常で、事故の衝撃で副交感神経の働きに異常をもたらし、自律神経の症状が引き起こされます。

②バレー・リュー症候群

事故により交感神経が優位になることで発症し、頚部(頚椎)周囲への血液不足が生じるタイプのむち打ち症です。頭痛・目まい・吐き気などの症状が特徴です。

③筋緊張性

首の筋肉が損傷や収縮をすることで、筋肉が極端に強張ってしまい後頭部を中心に頭痛を引き起こします。頭痛を伴うむち打ち症の多くは、筋緊張性頭痛である場合が多いと言われています。

④脳脊髄減少症

脳脊髄液を包んでいる「くも膜」が破れて脳脊髄液が漏れてしまうタイプです。

脳脊髄液が減少してしまうと脳に負担がかかり、激しい頭痛、目まい、頭が重い、疲れがとれない、イライラする、眠れないなど様々な症状を訴えます。こちらは診断が難しく、発見が遅れるケースが多いです。

上述した頚性神経筋症候群、バレー・リュー症候群、筋緊張性には、実はすべて「多裂筋(たれつきん)」という小さな筋肉が深く関わっています。

多裂筋は、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨から形成される背骨の際(きわ)に付く小さな筋肉で、背骨を支えたり姿勢維持の役割があります。

自律神経にも大きな役割を担っており、頭痛・目まい・吐き気・耳鳴りなどの自律神経系の不調が発生すると考えられます。そこで、当院では「多裂筋」を様々な症状解消のカギと捉え、交感神経優位になっている身体の状態をリラックスさせる施術を心掛けております。

放置して症状が長期化すると、いつもストレスを抱えている状態になり、自律神経失調症になります。倦怠感や食欲不振などにもつながり、最終的にはうつ病や神経症と診断されることもあるようです。放置はせず、早期に対処することが後遺症を防ぐ為にも重要になります。

当院では、自律神経の不調をお一人お一人に応じた治療をご提案しております。

「多裂筋」を重要なポイントとして捉え、様々な原因が絡み合い症状が出現することを考慮し、詳細な問診や検査を通して原因を分析するようにしています。

その後、治療を開始し後遺症が残らない「根本改善」を目的とした治療をご提供しております。